現役投資家FPが語る

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新型コロナウイルスの影響で日経平均やNYダウが暴落|積立投資はやめるべき?


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老後2000万円問題」が話題となり、最近、つみたてNISA個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)を始めたという方も多いと思います。

そのような方の中には、今回のような株価の暴落を経験するのが初めてというケースもあるでしょう。

 

投資初心者の方にとっては、今回のように日経平均株価やNYダウが大きく下がると、心の平穏が保てなくなる可能性もあります。

 

「株価が暴落する時に積立投資を継続しても大丈夫なのか?」や「積立投資をしていた投資信託を一旦、現金化しておくべきなのか?」という疑問を持つ方も多いでしょう。

 

今回は、株価暴落時の積立投資の考え方について解説したいと思います。

 

1.株価暴落時の対処法とは?積立投資をやめるべきか?

結論から申し上げると、株価暴落時も淡々と積立投資を継続するべきです。

積立投資をしている方にとっては、株価が下がったときこそ、平均の購入単価を下げる絶好のチャンスです。

 

株価が下げた時にも積立投資を継続するべき理由は、ドルコスト平均法の特徴にあります。

個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)」や「つみたてNISA」もドルコスト平均法を活用した積立投資の制度です。

 

ドルコスト平均法とは?

ドルコスト平均法とは、価格が日々変動する株式や投資信託などの金融商品を一度に購入せず、一定額ずつ定期的に継続して購入する投資手法です。

定額購入法とも呼ばれ、一定額ずつ定期的に継続して購入することにより、買付単価を抑える方法です。

 

投資信託の積立投資の際によく紹介される投資手法で、毎月●万円など定期的に一定額ずつ投資信託を購入することにより、高い時には少なく、安い時には多く買うことになり、結果的に買付単価を平準化することができます。

ドルコスト平均法の特徴イメージ図

(出典:つみたてNISA早わかりガイドブック

 

上図の通り、ドル・コスト平均法は価格が安くなった時に多く購入することにより、購入口数が増え、平均の購入単価を抑えることができる仕組みです。

つまり、株価が下がった時こそが、平均の購入単価を下げるチャンスであり、株価下落時に積立投資をやめてしまうということは、購入単価を下げるチャンスを捨てることになってしまいます。

 

なお、ドル・コスト平均法も万能な投資手法ではありません。デメリットもありますので、下記記事を参考にして頂ければと思います。 

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2.株価暴落時にやってはいけない対処法とは?

株価暴落時には不安になり、何か対処をした方がいいのではないかと考える方が多いと思います。

株価暴落時にやらない方がいい対処法と、その理由は下記の通りです。

 

投資信託の現金化

株価暴落時はいつまで下がるか分からないので、一旦、投資信託を現金化して様子を見たい気持ちはよく分かります。しかし、投資信託を現金化した場合、下記のようなデメリットがあります。

 

つみたてNISA口座で投資信託を現金化すると、非課税枠の再利用はできない

つみたてNISAで積み立てている投資信託を現金化してしまうと、その非課税枠は再利用することはできません

 

例えば、つみたてNISA制度が始まった2018年から2年間積み立てを続けていると仮定すると、現在、約90万円の投資信託を買い付けてきたことになります。

その投資信託が100万円に値上がりしていたと仮定して現金化した場合、利益の10万円部分に税金は掛かりません。

 

しかし、そのまま投資信託を保有し続けていれば、もっと値上がりしたかもしれません。その利益を取り逃すとともに、投資信託を売った90万円の非課税枠は再利用することはできないというデメリットが発生します。 

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一般口座で現金化すると、課税が発生し複利効果が下がる

一般口座で投資信託の積み立てを行っていて現金化した場合、利益が出ていれば利益部分に課税されます。再投資する際には、投資額が税金分減ってしまうので、複利効果が下がってしまいます。

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積立投資を止める

株価暴落時に投資信託を売却することはしなくても、積立投資を止めてしまう方もいます。

 

上記の通り、積立投資はドルコスト平均法を利用した方法なので、株価が下がったときこそ、平均の購入単価を下げるチャンス!

積み立てを止めることはチャンスを捨てることになってしまいます。

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積立額を減らす

株価暴落時こそ、安く沢山の口数が買えるわけですから、積立額を減らす必要もありません。

逆に株価暴落時は積立額を上げる方が、購入単価を下げることになります。

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まとめ

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そもそも、「iDeCo(イデコ)」や「つみたてNISA」で積立投資を行っている目的は何でしょうか?

 

長期での資産運用を考えて、「iDeCo(イデコ)」や「つみたてNISA」を始めた方が大半だと思います。

連日のように新型コロナウイルスによる株価の暴落がニュースになっていますが、長期の視点で運用している場合、短期的な株価の乱高下に一喜一憂する必要はありません。

 

今回のような株価の暴落時も淡々と、積み立てを継続することが正解となります。

 

Twitter上の反応を確認すると、多くの方が積立投資について理解されていて、あまり慌てていないようにも見受けられます。