現役投資家FPが語る

20年以上の投資経験がある現役投資家FPが「人生100年時代」の資産運用や公的年金など「お金」の知恵について語ります

50代からのお金の守り方|老後資金を減らさないためのポイントとは?


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50代は子供が独立している方も多く、老後に向けて最後の貯め時などと言われることもあります。

 

50代からはお金を増やす事も大切ですが、それ以上にお金を守ることも重要。

 

50代以降に投資などでお金を減らしてしまうと、20代や30代の方に比べてリカバリーが難しくなります。

 

では、50代以降にお金を減らさないために何をすべきでしょうか。

 

お金の問題を考えるなら判断力がしっかりしている50代から老いへの備えをすべき。

 

老いと向き合い、判断能力が落ちることを前提に準備する事が重要。

 

以下の本を参考に50代からのお金を守るための下記3ポイントを解説します。

  • お金に人間関係を絡めない
  • 高齢者向けの金融商品はない
  • お金のありかを家族と共有する

 

 

 

お金の問題に人間関係を絡めない

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お金の問題に人間関係を絡めてはいけない。むしろ人間関係を通じて判断を間違える場合が多い。と著者の山崎さんは指摘。

 

判断力が低下すると、お金の問題についても人を頼ってしまいがち。

 

投資詐欺は身近な人からすすめられると、騙されやすい傾向があるのは間違いないでしょう。

 

身近な人から投資話などを紹介されたからといって闇雲に信じてしまうのは危険。

 

身近な方の金融リテラシーが高いとは限らないので、他人の判断に全てを委ねるのはおすすめできません。

 

また、金融機関の営業マンがいい人だからとすすめられた金融商品を購入するのも危険。

 

営業マンがいい人だからといって、すすめてくる金融商品がいいものとは限りません。

 

本書では、金融商品はいい人間関係を築いたからといって利益が出るものではないと指摘されています。

 

 

高齢者向けの金融商品はない

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高齢者向け、シニア向けと銘打った商品には手を出してはいけない。

 

そもそも、若い人向けの運用、高齢者向けの運用なんてものはない、と本書では解説されています。

 

退職金を運用するのにぴったりの商品というのはセールストークなので注意が必要。

 

例えば、毎月分配型の投資信託などは、退職金を受け取った年金生活者の方にとっては魅力的に思えるでしょう。

 

しかし、手数料が高いなどのデメリットがある商品です。

www.fpinv7.com

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退職金として大きな額を手にすると、低金利での運用はもったいないので、少しでも利回りの高い運用をしたいと考える方も多いはず。

 

しかし、退職金を受け取ってから金融機関などですすめられるままに金融商品を購入するのは、大きな損失を被る王道パターン。

 

資産運用を考えているのであれば、50代の間までにはある程度の金融リテラシーを身につけておきたいところです。

 

 

お金のありかを家族と共有する

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お金の所在については、家族の複数メンバーで情報を共有しておくべき。

 

お金の情報を家族と共有していないと、相続手続きが大変になるということもありますが、それ以上に資産が行方不明になる可能性があるという点にも注意が必要。

 

へそくりのようなお金は本人が死亡したり意思確認ができなくなったりすると存在しないお金になってしまいます。

 

家族でお金の情報を共有していないと、コツコツと増やした資産も無駄になってしまうかもしれません。

 

本書では、下記の内容をリスト化して家族と情報共有すべきと指摘しています。

  • 銀行や証券会社などの口座
  • 生命保険などの情報
  • 不動産などの実物資産の情報
  • 自宅や貸金庫にある資産や現金の情報

 

上記のリストを家族と共有すれば、生命保険の請求漏れも減らす事ができるでしょう。

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そして、重要なのが毎年1回程度は情報をアップデートとすること。

 

私も上記のようなリストを作成して妻に渡しているのですが、数年間アップデートをしていませんでした。

 

先日、気になって内容を確認してみると、加入している生命保険会社が合併して社名が変わっていたり、新たに開設した証券会社口座の抜けもありました。

 

やはり、1年に1回程度はリストの内容を確認して情報を更新しておく事が重要です。

 

 

まとめ

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50代からはお金を増やすことも重要ですが、お金を守る事も重要。

 

50代以降でお金を大きく減らしてしまうと、リカバリー不能になってしまう可能性があります。

 

高齢になると判断力が落ちてくるのは間違いありません。

 

判断力があるうちに老いに備えておくべき。

 

また、なるべく若いうちにお金について学んで金融リテラシーを上げる事が、高齢になってからのお金を守る力になります。

 

これまでお金について考えたり学んでこなかった方は、50代を節目に考え方を変えてみてはいかがでしょうか。