現役投資家FPが語る

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【トランプ関税】給付金のバラマキをやめて消費税を廃止すべき!


トランプ関税や物価高への対策として自民・公明の与党内で全ての国民に一律で3~5万円の現金を給付する案が検討されています。

 

その一方で自民党の森山幹事長は「(消費税を)下げる話だけでは国民に迷惑を掛ける」と減税を否定する発言をしました。

 

3~5万円程度の給付金をバラまくことで物価高やトランプ関税対策になるのでしょうか?

 

毎日新聞の世論調査では約6割の人が現金給付案を評価しないとしています。

 

今回の記事では、物価高やトランプ関税対策として国(政府)が取るべき政策について解説します。

 

物価高で生活が苦しいと感じている方は参考にしてください。

 

 

給付金バラマキの効果は限定的

所得税限なしで一律3~5万円の現金を受け取れると聞けば、ありがたいと思う方も少なくないでしょう。

 

しかし、単発で数万円程度の給付金をバラまいてどの程度の効果があるのでしょうか?

 

物価が継続的に上がっている状況下で数万円程度の給付金を受け取っても暮らしが楽になったと感じる方は少ないはず。

 

生活に余裕がある人であれば、将来不安から給付金を貯蓄に回すことになり経済効果も期待できません。

 

単発の現金給付では、物価高に苦しむ多くの日本国民を救うことはできないことは明らか。

 

給付金のバラマキはやらないよりはやった方がいいというレベルで、自公政権による単なる選挙対策と言えます。

 

 

消費税を廃止して内需を拡大すべき

では、どのような政策がトランプ関税や物価高の対策として効果的でしょうか?

 

それは消費税の廃止です!

 

物価が高くなり、そこに10%(8%)の消費税がかかれば支払う税額は多くなります。

 

その消費税を廃止すれば、物価を下げる効果があります。

 

また、トランプ米大統領は欧州連合(EU)などの付加価値税も関税とみなすとしていて、日本の消費税も同一視されています。

 

つまり、消費税を廃止すれば、物価高だけでなくトランプ関税の対策にもなり一石二鳥の効果があります。

 

そもそも日本は一億人を超える人口を抱えています。

 

そして、日本のGDPの5割超は個人消費

(出典:消費者庁)

 

トランプ関税などで混沌としている世界を相手にするのではなく、今こそ内需を喚起すべき時

 

そのためには消費税の廃止は必須。更に「年収の壁」を引き上げれば、より日本国内の経済は活性化するでしょう。

 

例えば、日本に残っている数少ない基幹産業である自動車産業は、トランプの関税政策に戦々恐々としています。

 

わざわざ商売が難しい外国を相手にするのではなく、もっと国内を向いて商売ができる経済状態にすればいい話。

 

2024年度の日本の新車販売ランキングNo.1はN-BOX。

 

軽自動車が売上NO.1になっている国内市場で、内需を喚起することによりクラウンレベルの車が売上NO.1になるようにすれば自動車会社の売り上げは上がります。

 

日本人の可処分所得を上げて内需を喚起すれば、自動車以外の産業も活性化して設備投資も盛り上がります。

 

消費税の廃止や「年収の壁」引き上げにより日本人の可処分所得を上げる政策が一番のトランプ関税対策になるでしょう。

 

 

消費税廃止の財源は国債一択

消費税廃止を提言すれば、ザイム真理教から「その財源は?」という切り返しを受けます。

 

消費税廃止の財源は国債一択です。

 

減税するために増税や歳出を削減すれば行って来いで意味はありません。

 

テレビや新聞には、これ以上に国債を発行すると「財政破綻する」や「ハイパーインフレになる」というニセ経済エコノミストが多数存在しています。

 

しかし、自国通貨建ての国債を発行できる日本が「財政破綻」することはありませんし、「ハイパーインフレ」になる可能性もほぼありません

 

これは財務省が自ら認めていること。

www.fpinv7.com

 

何よりの証拠がコロナの際に日本は100兆を超える国債を発行しましたが、財政破綻もハイパーインフレも起こっていません

(出典:財務省)

 

少子高齢化などの国内状況を鑑みれば、日本はコロナ時よりも緊急事態です。

 

「消費税は社会保障の財源」などという寝言を言っている暇は日本にはありません。

www.fpinv7.com

 

税収が足りなければ国債を発行すればいいだけの話。

 

国の有事である今こそ国債を財源として下記のような政策を行うべきです。

  • 消費税廃止
  • 「年収の壁」引き上げ
  • 社会保険料減免

 

早急に約50%という高い国民負担率(国民所得に対する税負担と社会保険料負担の割合)を引き下げ、国民の可処分所得を増やす政策を行う必要があります。

 

消費税廃止や「年収の壁」引き上げなどにより国民の可処分所得を上げれば、GDPが増加して税収が上がるでしょう。

 

税収が上がれば、国債の発行額を減らせる可能性もあります。

 

国内景気が拡大して企業が設備投資などのために借り入れを起こせば、バブル期のように国債発行ゼロの状況も起こり得ます。

 

つまり、経済が活性化すれば国(政府)の財政も健全化する!

 

まさに「経済あっての財政」なのです。

 

 

まとめ

単発の現金給付では、物価高に苦しむ多くの日本国民を救うことはできないことは明らか。

 

トランプ関税や物価高対策として効果的なのは、消費税の廃止です!

 

しかし、自民党の森山幹事長は「(消費税を)下げる話だけでは国民に迷惑を掛ける」と発言する始末。

 

もはや自公政権には何も期待できません。

 

このまま自公政権に日本を任せていれば、日本は衰退途上国から衰退国へと転落していくでしょう。

 

次回の選挙では自民党・公明党・立憲民主党・日本維新の会など減税を阻止して日本国民を苦しめる政党の数を確実に激減させる必要があります!