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日経平均株価が34年ぶりに史上最高値を更新!バブル再来で急落はある!?


2024年2月22日、日経平均株価が34年ぶりに史上最高値を更新しました。

 

しかし、これまで日経平均株価は長期間低迷したこともあり、史上最高値を更新したことに懐疑的な方も少なくないでしょう。

 

実際、下記のような疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。

  • 日経平均株価が史上最高値を更新した要因は何か?
  • 日本株はバブル状態なのか?
  • 日本の急落の可能性はあるのか?

 

そこで今回の記事では、上記の疑問について解説したいと思います。

 

日経平均株価はバブル状態で、急落の可能性が高いのではないかと不安に感じている方は参考にしてください。

 

なお、当記事の要点を聞き流したい方は以下の動画をご覧ください。

 

 

日経平均株価が34年ぶりに史上最高値を更新!その要因は?

日経平均株価は、2024年2月22日に終値で3万9098円68銭(前日比836円高)となりました。

 

1989年12月29日につけたバブル期の最高値である3万8915円87 銭を約34年ぶりに上回るものでした。

 

まず、日経平均株価が史上最高値を更新した要因について見ていきましょう。日経平均株価の上昇には、以下のような要因があります。

 

高値更新の要因①:堅調な米国景気と円安基調の継続

要因の1つ目は、堅調な米国景気と円安基調の継続です。

 

米国の堅調な景気やハイテク関連株の高騰が日本の大手企業にも波及し、好業績を収めることが期待されました。

 

また、米国景気が堅調なため早期の利下げ観測が後退したとともに、日銀(日本銀行)が金融緩和政策を維持する見通しで円安基調が当面は続くとの見方が強まりました。

 

円安基調が続けば、更なる日本企業の好業績が期待されます。

 

高値更新の要因②:中国への投資を手控えた資金が日本株へ流入

要因の2つ目は、中国への投資を手控えた資金が日本株へ流入したことです。

 

中国の経済成長の減速や政策リスク、米中対立などの影響で、海外の投資家が中国の債券や株式などの証券投資や、工場や店舗などの直接投資が手控えられました。

 

中国への投資を手控えた海外の資金が、割安感がある日本株の買い増しにつながりました。

 

高値更新の要因③:東証主導のコーポレートガバナンス改革が評価される

要因の3つ目は、東証主導のコーポレートガバナンス改革が評価されたことです。

 

東京証券取引所は2022年4月に市場区分を再編し、プライム市場に上場する企業に対して、コーポレートガバナンス・コードの遵守や独立社外取締役の3分の1以上の選任など、より高いガバナンス水準を要求。

 

また、PBR一倍割れの企業に対して、株価水準を引き上げるための具体策の開示を求めました。

 

東京証券取引所の主導で進められたコーポレートガバナンス(企業統治)改革が、海外投資家に評価され始めたことも株価上昇に寄与しました。

 

コーポレートガバナンス改革が投資の神様『ウォーレン・バフェット』の日本の5大商社株(伊藤忠商事、三菱商事、三井物産、住友商事、丸紅)購入に一定の影響を与えたことは間違いないでしょう。

 

そして、ウォーレン・バフェット氏による日本の5大商社株の購入と買い増しが、更に日本株の評価を高める要因になりました。

 

 

日経平均株価はバブル状態なのか?

34年ぶりに史上最高値を更新した日経平均株価にバブルの兆候はあるのでしょうか?

 

バブルとは、株価が企業の実力や利益に見合わないほど高騰している状態を指します。

 

バブルかどうかを判断するには、株価が割高か割安かを示す指標を見る必要があります。

 

代表的な指標として、PER(株価収益率)PBR(株価純資産倍率)などがあります。

 

PERは株価を1株あたり利益で割ったもので、PBRは株価を1株あたり純資産で割ったもの。

 

これらの指標が高いほど、株価は割高であると言えます。

 

現在の日経平均の予想ベースのPERは16.5倍で、PBRは1.4倍

 

これらの数値は、過去の平均水準や他国の主要株価指数と比べても高すぎるとは言えません

 

バブル期のPERは60倍を超えており、PBRは5倍を超えていました。

 

これらのことから、現在の日経平均株価はバブル状態ではないと言えます。

 

よって、今後も日本企業の業績が上がるようであれば、日経平均株価が4万円を超えることもあり得るでしょう。

 

 

日経平均株価の急落の可能性は?

上記の通り、日経平均株価はバブル状態ではないと判断できます。

 

よって、株価が割高だから急落するということはないでしょう。

 

しかし、株価がバブルではないといっても、急落の可能性はゼロではありません

 

株価は常に変動するものであり、今後も様々なリスクや不確実性に注意する必要があります。

 

例えば、下記のような要因が日経平均株価の下落を招く可能性があります。

  • 株価上昇のペースが速かったことから短期的な調整
  • 米国景気のハードランディング(景気後退)による米国株の急落
  • 米国の利下げと日本の利上げにともなう金利差縮小による急速な円高の進行

 

 

個人投資家はどう行動すべきか?

さて、日経平均株価が史上最高値を更新しましたが、個人投資家はどのような戦略を採るべきでしょうか?

 

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では、日経平均株価やS&P500などの株価指数が史上最高値を更新する状況下でインデックス投資家はどのように行動すべきでしょうか。

 

一つの最適解は、淡々と積立投資を継続することです。

 

株価が急落した場合の投げ売りは問題外ですが、逆に急騰した際の利益確定も慎むべき

 

個人投資家が市場のタイミングを見計らうことは、むしろ利益を減少させるリスクを伴います。

 

ただし、現在の状況において追加の資金を投入する必要はないでしょう。

 

今は計画的に行っている積み立て投資を着実に実行していくことが肝要。

 

個人投資家の最強の戦略は、「稲妻が輝く瞬間」に株式市場に居合わせて株価の上昇を取り逃さないことです。

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まとめ

日経平均株価が史上最高値を更新しましたが、現状の指標を確認するとバブルの状態ではありません。

 

よって、株価が割高という理由で急落することはないでしょう。

 

しかし、株価は常に変動するものであり、今後も様々なリスクや不確実性に注意する必要があります。

 

インデックス投資を行っている多くの個人投資家は、淡々と積立投資を継続して「稲妻が輝く瞬間」に株式市場に居合わせて株価の上昇を取り逃さないことが肝要です。