株主優待狙いの投資や、高配当株投資に興味を持っている方は多いと思います。
いつも利用する飲食店の割引券などがもらえる株主優待や配当金狙いの投資は、投資を始めるきっかけとして、おすすめされることがあるのですが、リスクがないわけではありません。
今回は、実際の投資事例から株主優待狙いや高配当株への投資のリスクについて検証してみたいと思います。
株主優待狙いや高配当株投資はおすすめ?リスクはない?
以前の私の資産運用スタイルは、高配当株を狙った投資でした。
一般NISA口座で高配当株を購入し、インカムゲインである配当金を受け取りながら、長期的にはキャピタルゲインである値上がり益を狙う投資を行ったいました。
高配当株への投資を始めた当初は非常に合理的な投資方法だと考えていたのですが、個別株へ投資する手間とリスクを考慮し、現在は新たな高配当株への投資は行っていません。
次項以降で実際に行った高配当株への投資事例をご紹介するとともに、私が経験したリスクについても解説したいと思います。
株主優待と配当金の両方を受け取れる銘柄がある!?
実は、高配当株でありながら株主優待も受け取れるという銘柄もあります。
私が投資した銘柄の1つであるオリックス(8591)も高配当株でありながら株主優待が受け取れます。
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オリックスの配当金は?
オリックスの株を保有していると、2022年3月期で1株85.6円(中間39円・期末46.6円)の配当金を受け取れました。
直近では、2022年6月に期末の配当金4,660円を受け取りました。
私は一般NISA枠で購入しているので、配当金も非課税で受け取れます。
特定口座や一般口座で購入している場合には、配当金から20.315%の税金が源泉徴収されます。
私は、オリックスの株式を約1,500円で購入しているので、配当利回りは約5.7%(85.6円÷1,500円)ということになります。
オリックスの株主優待とは?
オリックスは配当金だけでなく、下記の株主優待も受け取れます。
オリックスの株主優待は「ふるさと優待」という名で、オリックスグループの全国各地の取引先が取り扱う商品を厳選してカタログギフトに仕立て、年に1回、好きな商品1点を選べるものです。
3月末時点のオリックス株主名簿に記載のある100株以上保有の国内居住の株主が株主優待の対象。
オリックスの「ふるさと優待」には、株式の保有期間によって下記2つのコースがあります。
Aコース
保有株式数:100株以上
保有年数:3年以上継続保有
Aコースカタログより1点
Bコース
保有株式数:100株以上
保有年数:3年未満保有
Bコースカタログより1点
Aコースは10,000円相当、Bコースは5,000円相当の商品をカタログギフトの中から選べます。
ちなみに昨年は、災害が多発していることからBコースの「防災バッグ」を頂きました。
株主優待狙いや高配当株投資のリスクとは?
さて、ここまでは高配当株に投資しながら株主優待も受け取れるというプラス面をご紹介しましたが、ここからは株主優待狙いや高配当株投資のリスクについても解説します。
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株主優待狙いや高配当株投資も損失を被る可能性がある
株主優待狙いの投資も高配当株投資も株式投資である以上は、損失を被る可能性があります。
例えば、私はオリックスの株を2019年1月に1,517円で100株購入。
しかし、コロナショックで株価が下がった際には、1,100円程度まで下がりました。
つまり、-40,000円の評価損という状態。
現在では株価が2,300円台まで上がっていますが、株価が下がり続け、評価損を広げてしまう可能性もありました。
株主優待や配当金は保証されているわけではない
評価損を抱えた状態でも売らずに株を保有し続ければ株主優待や配当金を受け取り続けられるではないかと考える方もいるでしょう。
しかし、株主優待や配当金は保証されたものではありません。
株主優待や配当金は基本的に企業が利益の中から行うものであって、株主が必ず手にできるというような保証されている権利ではありません。
よって、企業の業績が下がれば、株主優待の内容が変更されたり、株主優待が廃止される可能性もあります。
実は、オリックスは2024年3月末で株主優待を廃止する予定。
オリックスの株主優待廃止の理由は業績低迷ではありません。
オリックスを含め多くの上場企業は、長期保有が見込める個人株主を増やすために株主優待の商品の選定に工夫を凝らしてきました。
しかし、その恩恵を受けられない海外投資家からは「不平等だ」との声も出ていました。
オリックスやJTのように株主への公平な利益還元のあり方という観点から株主優待制度を廃止し、自社株買いや配当などによる利益還元を行っていく方針の企業が増えています。
また、2022年4月の東証の市場再編で上場基準となる株主数が現在よりも緩和されたことも影響し、個人株主を確保するためのひとつの方策であった株主優待制度の必要性が薄れました。
今後の株主還元は自社株買いや配当をより重視していく形になるでしょう。
なお、配当金についても保証されているわけではないので、企業の業績によっては配当が減らされる減配や配当が無くなる無配に転落する可能性があります。
株主優待の内容が変更・廃止されたり、配当が減配・無配になること自体も手痛いことですが、そうなると更に株価も下がるというダブルパンチに襲われます。
株主優待や配当を目当てに投資している方も多いので、優待の変更・廃止や配当の減配・無配があれば、株は売られ、大きく株価が下がることになるでしょう。
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高配当株の日産自動車は無配に転落
私が購入した高配当株の中で、無配に転落した銘柄もありました。
それが日産自動車(7201)。
一時は高配当株として人気が高かった日産自動車ですが、ゴーンショックや業績の低迷で無配に転落。
株価も300円台まで下落して低迷しました。
たまたま、私はゴーンショックの前に売り抜けることができましたが、もう少しで損失を被るところでした。
個別企業への投資は、企業の業績次第で大きな損失を被るリスクがあります。
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まとめ
高配当株投資や株主優待狙いの投資でもリスクが低いわけではないので、常に株式を保有する企業の業績などをチェックする必要があります。
株主優待や配当金ばかりに目を奪われると、手痛い損害を被る可能性もあるでしょう。
配当金や株主優待などのインカムゲインを狙った投資は、初心者向きではあります。
しかし、配当金や優待で受け取った利益を上回る損失を被るリスクがあることを認識する必要もあります。