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つみたてNISA延長へ いつ始めても非課税期間20年に|メリットと注意点を解説


積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)について、非課税で積み立てられる期限の延長が、年末にまとめる2020年度の与党税制改正大綱に盛り込まれることになりました。

つみたてNISA」の期限延長には具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?

 

今回の記事では「つみたてNISA」の延長と、「つみたてNISA」を始める際の注意点について解説したいと思います。

1.「つみたてNISA」とは?

「つみたてNISA」とは、そもそも、どのような制度なのかを解説したいと思います。

 

つみたてNISAは、長期の積立・分散投資を通じた資産形成を後押しするために2018年1月からスタートした税制優遇制度です。

毎年40万円まで投資することが可能で、最長20年間、非課税投資枠は最大800万円となります。

 

通常、投資信託の売却益や分配金には、20.315%の税金がかかります。しかし、「つみたてNISA」を活用すれば、投資信託の売却益や分配金が非課税となります。

 

金融庁によると、2019年6月末で約147万口座が開設され、買付総額は約1,780億円に上ります。

つみたてNISAの制度概要
対象者 日本に住む20歳以上
非課税投資枠 40万円
非課税期間 20年間
対象商品 投資信託(金融庁が認定したものに限る)
投資可能期間 2018年~2037年

 

 

2.「つみたてNISA」の延長とは?

つみたてNISAの延長とは、具体的にはどういうことなのでしょうか?あまり理解できていない方もいらっしゃると思いますので解説します。

 

現行の「つみたてNISA」は、積立可能期間が2037年末まででしたが、延長により原則としていつから始めても20年間、非課税になるよう改められます。

 

現在の「つみたてNISA」では、積立可能期間の最終が2037年と決まっているので、つみたてNISAを始めるのが遅れるほど、活用できる最大の非課税枠が小さくなってしまいます。

 

例えば、つみたてNISA制度が開始された2018年に口座を開設し、投資信託の積み立てを始めた場合、年間の非課税投資枠40万円が20年分あるので、合計800万円の非課税枠が活用可能です。

ところが、今年(2019年)から「つみたてNISA」を始めた場合、積立可能期間の最終が2037年と決まっているので、合計の非課税投資枠は、760万円(40万円×19年)となってしまいます。

 

積立可能期間の最終である2037年に始める方は、最大非課税投資枠が下図の通り、40万円となってしまいます。

つみたてNISA非課税投資枠(延長前)

 

つみたてNISAの延長とは、2037年までに積み立てを開始すれば、2038年以降も積立を可能とにするという意味です。

 

現在、つみたてNISAを始めるか悩んでいた方には、大きなメリットです。

現状のままであれば、悩んで開始が遅れるほど、使える最大の非課税枠が減っていますが、延長されれば2037年までに「つみたてNISA」を始めることにより、2038年以降も積み立てを継続することができ、下図の通り最大800万円の非課税枠が使えるようになります。

つみたてNISA非課税投資枠表(延長後)

 

「つみたてNISA」は恒久化される?

 今回の「つみたてNISA」延長は、恒久化とは意味が異なります。

「つみたてNISA」は、年間非課税投資枠40万円の非課税期間20年間が経過すると、そこで保有している投資信託は課税口座(一般口座・特定口座)に払い出されます

 

毎年の非課税枠は20年間で終了し、一般NISAのようにロールオーバーすることはできません。よって、今回は期限の延長であり、制度の恒久化ではありません。

 

 

3.「つみたてNISA」を始める際の注意点とは?

今回の「つみたてNISA」の延長で、口座開設を考える方も増えると思います。「つみたてNISA」を始める際の注意点を下記の通りまとめてみました。

 

「つみたてNISA」はいくらから始められる?

「つみたてNISA」はいくらから始められるのでしょうか?

Twitter上の反応などを見ていると、毎月3万円の積み立ては厳しいというツイートがありますが、「つみたてNISA」は毎月3万円からでないと始められないわけではありません。

 

楽天証券やSBI証券などでは、毎月100円からでも始められます。つまり、「つみたてNISA」は、余裕のある範囲で始めることができます。

毎月3万円は厳しいと思っていた方は、1,000円や2,000円でもいいので、始めてみてはいかがでしょうか。

 

「一般NISA」と「つみたてNISA」の併用は可能か?

既に「一般NISA」口座を開設している方で、「つみたてNISA」を始めたいという方もいますが、「一般NISA」と「つみたてNISA」の併用は残念ながらできません。 

 

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「一般NISA」から「つみたてNISA」への変更は可能?

「一般NISA」と「つみたてNISA」の併用はできませんが、「一般NISA」から「つみたてNISA」への変更は可能です。

また、逆に「つみたてNISA」から「一般NISA」への変更も可能です。

 

ただし、「一般NISA」から「つみたてNISA」へ変更すると、「一般NISA」で保有している資産については、非課税期間終了時に課税口座に払い出されますロールオーバーできなくなるので注意が必要です。

 

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まとめ

「一般NISA」の恒久化を期待していた方も多いと思いますが、富裕層への優遇だとの指摘があり、政府は2019年10月にNISAの恒久化は見送りました。

 

「一般NISA」恒久化の代わりに「つみたてNISA」の期限延長が2020年の税制改正大綱に盛り込まれることになります。

また、個人型の確定拠出年金iDeCo(イデコ)についても、65歳までの拡充が税制改正大綱に盛り込まれます。

 

国は金融庁の報告書で、「老後にはモデル世帯で、年金だけでは2000万円足りないから自助努力してね」としたわけですから、今後も国民の自助努力を後押しするように制度を改善していくべきです。 

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そして、私たちも国が準備した税制優遇制度を積極的に活用することにより、今後の人生100年時代に備えるべきでしょう。