iDeCo(イデコ)を始める際に最も重要となるのが金融機関の選定。
運営管理機関(金融機関)は沢山あるので、どの金融機関で口座を開設すべきか迷ってしまう方もいるでしょう。
預金口座を持っている身近な銀行等で始めてしまう方もいますが、それはおすすめできません。
金融機関の選択をミスると最終的な受取額に100万単位の違いが発生する可能性があります。
今回は、以下の本を参考におすすめの金融機関と、おすすめの理由を解説します。
iDeCo(イデコ)を始めようと考えている方だけでなく、今の金融機関でいいのかと感じている方も参考にしてください。
当記事の要点を簡潔に確認したい方は以下の動画をご覧ください。
- iDeCo(イデコ)口座を開設するおすすめの金融機関は?
- iDeCo(イデコ)口座の金融機関選びの最重要ポイントは信託報酬の水準
- おすすめのSBI証券の商品ラインナップを確認する方法
- 金融機関の変更も可能
- まとめ
iDeCo(イデコ)口座を開設するおすすめの金融機関は?
今回の記事の結論から書きます。おすすめの金融機関はSBI証券です。
おすすめする理由はいくつかあるのですが、最大のおすすめポイントは信託報酬等の低い投資信託のラインナップが充実しているから。
原則、iDeCo(イデコ)は60歳まで掛け金を引き出せない事を考えると、iDeCo(イデコ)を始める目的は老後資金を準備するためでしょう。
であれば、最大の目的は少しでも多く老後資金を受け取れるようにすることのはず。
iDeCo(イデコ)の受取額に大きな影響を与えるのが投資信託の信託報酬(手数料)。
信託報酬の安い投資信託のラインナップが最も充実しているのがSBI証券です。
次項以降で投資信託の信託報酬が運用益に与える影響について解説したいと思います。
iDeCo(イデコ)口座の金融機関選びの最重要ポイントは信託報酬の水準
本書では、イデコ口座を開設する金融機関を選ぶ際に最も重視すべきポイントは、商品ラインナップより信託報酬の水準だと解説されています。
高コストの商品(投資信託)がたくさん用意されていても意味はありません。
重要なポイントは低コストの商品(投資信託)が充実していること。
運用リターンは、『運用リターン=運用益ー運用コスト』で計算できます。
よって、本書では運用コストである信託報酬等が04%未満のインデックスファンドを選ぶべきと結論。
現在では新NISAの開始に伴い、信託報酬の引き下げ競争が起きていて手数料0.1%未満の争いになっています。
また、過去15年で9割のアクティブファンドがインデックスファンドのリターンに届いていないというデータが掲載されています。
インデックスファンドとアクティブファンドの違いについては、下記記事をご参照ください。
運用成績に大きなインパクトがある信託報酬
信託報酬が数%の差であれば大した違いはないのではと思う方も多いでしょう。
しかし、実際のシミュレーション結果を見ると驚かされます。
本書に掲載されている500万を信託報酬0.4%~2.0%、年利3%で10年間複利運用したシミュレーション結果は下記の通り。
- 信託報酬:0.4% ⇒ 資産額:6,455,585円(+1,455,585円)
- 信託報酬:1.0% ⇒ 資産額:6,073,269円(+1,073,269円)
- 信託報酬:1.5% ⇒ 資産額:5,774,942円(+441,492円)
- 信託報酬:2.0% ⇒ 資産額:5,490,388円(+490,388円)
信託報酬が0.4%と2.0%の運用益の差はなんと約96万円。運用で増えた49万円の2倍近い手数料を取られることになります。
なお、NISAの「つみたて投資枠」は金融庁によって投資対象となる投資信託が厳選されているので、商品選択で大きな失敗は発生しません。
しかし、イデコは金融庁などによる商品選択はありません。
口座を開設する金融機関によっては信託報酬が高いワナ銘柄も含まれているので注意が必要です。
おすすめのSBI証券の商品ラインナップを確認する方法
イデコを始める際に使えるサイトがいくつかありますが、その1つが「iDeCoナビ」。
商品ラインナップや手数料等は変更される可能性がありますので、常に最新の情報を信頼できるサイトで確認するようにしてください。
「iDeCoナビ」を使うと、下図のように各金融機関の商品ラインナップを確認できます。
なお、下図はSBI証券の投資信託を信託報酬(実質)順に並び替えたものです。
(出典: iDeCoナビ)
SBI証券(セレクトプラン)には信託報酬0.4%未満の投資信託が20本あります。
ちなみに、私もイデコはSBI証券(セレクトプラン)で口座を持っていて、積み立てている投資信託は「eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)」。
以前は、SBI証券のオリジナルプランでしたが、コロナ後の株高に乗じてセレクトプランに変更しました。
オリジナルプランの時には、3つのファンド(先進国株式・新興国株式・海外RIET)に分散して積み立てていました。
しかし、現在はイデコの税金面などを考慮すると受取時の出口戦略が難しいことを念頭において、シンプルなポートフォリオにしています。
金融機関の変更も可能
イデコを始める際に身近な金融機関で口座を開設したという方もいるでしょう。
現在、口座管理手数料が高く、運用商品の品ぞろえが悪い金融機関でiDeCo(イデコ)口座を開設している方も諦める必要はありません。
iDeCo(イデコ)の金融機関は変更可能です!
iDeCo(イデコ)の金融機関変更手続きは、下記記事の通り難しくありません。
ただし、下記のようなデメリットがあるので、注意が必要です。
- 手数料がかかる
- 移管前に運用資産を売却し、現金化する必要がある
- 時間がかかる
iDeCo(イデコ)の金融機関変更に関するデメリットなどの詳細は、下記記事をご参照ください。
まとめ
イデコ口座を開設すべきおすすめの金融機関はSBI証券。
おすすめする最大の理由は、信託報酬等の低い投資信託のラインナップが充実しているから。
なお、イデコを始めようか迷っているのであれば、とりあえずSBI証券で口座開設し、元本確保型の定期預金を選択するのも1つの方法。
とりあえず、所得控除を利用した節税効果を受けるといいでしょう。投資信託の選択は後でも問題ありません。
まずは一歩を踏み出す事が重要です。
また、身近な金融機関でイデコ口座を開設して後悔している方もいるでしょう。
金融機関の変更は少し面倒ですが、残りの運用期間が長い方ほど運用益に差が出る可能性が高いので、金融機関の変更をおすすめします。