現役投資家FPが語る

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公的年金制度に対するよくある2つの誤解とは?


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老後2000万円問題」で公的年金制度に注目が集まりました。

 

公的年金制度についてマイナスの誤解を持っている方も多いでしょう。

 

しかし、誤解があると、将来的に誤解している人自身が損をします。

 

今回は、公的年金に対するよくある下記2つの誤解について解説します。

  • 公的年金は老後にしか受け取れない
  • 公的年金よりも民間の個人年金保険などの方が得

 

公的年金に対する誤解を解いて、公的年金は老後を支える柱だという認識を持って頂ければと思います。

 

誤解①:公的年金は老後にしか受け取れない

公的年金というと、65歳から受け取れる老齢年金老齢基礎年金老齢厚生年金)をイメージする方が多いと思います。

 

マスコミなどで話題になるのもほんとどの場合、老後に受け取る老齢年金。

 

しかし、公的年金には老齢年金以外にも障害年金や遺族年金があります。

 

障害年金(障害基礎年金・障害厚生年金)は、被保険者が一定の障害状態になった場合に受け取れます。

 

また、遺族年金(遺族基礎年金・遺族厚生年金)は、被保険者が亡くなった場合に受け取れる年金です。

 

公的年金は積立貯蓄?それとも保険?

公的年金制度は、積立貯蓄のようなものだと思われている方が多いでしょう。

 

しかし、公的年金は老齢年金だけでなく、上記の通り、障害状態になった場合に受け取れる障害年金(障害基礎年金・障害厚生年金)や、万が一の場合に受け取れる遺族年金(遺族基礎年金・遺族厚生年金)あります。

 

よって、単なる老後資金の積み立て機能だけでなく、保険的な機能もあります

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公的年金は老後にしか受け取れないと思っている方が多く、若い方の中には遠い未来にしか受け取れない年金のために保険料を払うのはバカバカしいと考える方もいるでしょう。

 

しかし、若い方でも障害年金や遺族年金は受け取れる可能性があるわけです。

 

公的年金制度は若い方にもメリットがある制度であることを知って頂ければと思います。

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誤解②:公的年金よりも民間の個人年金保険などの方が得

特に若い方は、公的年金の保険料を支払っていても将来的には年金財政が厳しくなり、受け取れなくなるのではないか?と思っている方も多いと思います。

 

保険料を支払っているにも関わらず年金を受け取れない可能性があるのであれば、公的年金の保険料を滞納し、自分で貯蓄したり、民間の保険会社が販売している個人年金保険に加入しようと考える方もいるかもしれません。

 

上記のような考え方は非常に危険。

 

国の制度である公的年金よりも民間が運営する保険会社や銀行の方が破綻リスクが高いことは明らかです。

 

また、公的年金には自分で貯蓄する場合や個人年金保険などにはないメリットがあります。 

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公的年金は生きている限り受け取れる終身年金

公的年金の大きなメリットの1つが、年金受給者が生きている限り年金を受け取れる終身年金であるという点。

 

仮に65歳から月6.5万円の老齢基礎年金を受け取り、100歳まで年金を受け取ったとしたら、総額で2,730万円(6.5万円×12ヶ月×35年)もの額を受け取れます。

 

個人でこれだけの額を準備しようと思うと大変。

 

人間は何歳まで生きるか分かりませんので、終身年金という点は非常に大きなメリットになります。

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公的年金は物価の上昇にも対応する

また、公的年金は物価にスライドする仕組みになっています。

 

物価が上がる場合、年金額が上がらなければ、年金受給者の暮らしは苦しくなります。

 

そのようなことがないように公的年金は物価が上がれば、年金額も上がるようになっています。

 

マクロ経済スライドの導入により、物価が上がるほどには年金額が上がらない仕組みにはなっていますが、一般的な個人年金保険は物価にスライドするような機能はありません

 

よって、物価が上がった場合には受け取る年金額は実質的に目減りすることに。

 

自分で貯蓄する場合や民間の個人年金保険などに加入する場合に比べて、公的年金には大きなメリットがあることをしっかりと認識して頂ければと思います。

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なお、マクロ経済スライドについて詳しく知りたい方は、マクロ経済スライドが分かりやすく解説されている以下の動画をご覧ください。

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まとめ

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公的年金は積立貯蓄ではなく、長生きリスクに備えるための保険であり、長生きした人を皆で支える共助(助け合い)の制度と捉えてもらうといいでしょう。

 

公的年金の間違ったイメージを払拭し、公的年金の保険料を滞納して個人年金保険に加入するなどといった誤った判断をしないようにして頂ければと思います。

 

公的年金には上記のようなメリットがある一方で、「老後2000万円問題」で話題になったように、公的年金だけでは老後の生活費が不足する可能性があります。

 

公的年金は今後、支給開始年齢が上がり、年金支給額が下がることも予想されます。

 

公的年金を老後生活の主軸にしながらも、個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)やNISAなどの制度を活用し、老後の生活が破たんしないように準備をすることも重要です。

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